第50期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)は12日、芝野虎丸十段が余正麒八段を210手までで白番中押し勝ちし、リーグスコア3勝2敗と白星を先行させた。先頭をゆく福岡航太郎七段(5勝0敗)、井山裕太王座(4勝0敗)に星二つ差の後れをとり、優勝は難しい状況だが、残留に向けて大きく前進した。
対局後、「わずかだが挑戦の可能性も残った。今日の勝ちは大きいですね」と話した。敗れた余は2勝3敗と黒星先行。
リーグ序列1、2位の対決。中盤、芝野に誤算があったか、余が隅で大いにポイントを稼ぎ、リードを奪った。AIの判定では余の勝率は95%を超えたが、今年の芝野はことに逆転が多い。
本局でも余の攻めが空転。しのぐ芝野が大いに得をする展開になり、逆転に成功した。それでも微細な形勢だったが、余は悲観したか、さらに差が開き、投了に追い込まれた。
優勝争いは無敗の福岡と井山のマッチレースの様相を強めている。両者は15日、井山のホームの大阪・梅田の日本棋院関西総本部で直接対決する。挑戦権のゆくえを左右する大勝負となる。