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芥川龍之介が俳句を書いた画賛幅が展示されている=2024年6月25日午後1時26分、東京都北区田端6丁目、石平道典撮影
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 作家の芥川龍之介(1892~1927年)が、料亭での親睦会の様子が描かれた画賛幅(がさんふく)に寄せた直筆の俳句が見つかり、田端文士村記念館(東京都北区田端6丁目)で初公開されている。全集には収録されておらず、芥川の客人への気遣いをうかがわせる句で、企画展「友情から生まれたもの 文士村の青春アンサンブル」で展示されている。

 芥川は隅田川東岸の本所で育ち、亡くなるまでの13年間、田端で暮らして、「羅生門」「鼻」「河童(かっぱ)」など数々の名作を生み出した。同じく田端に住んでいた、詩人で作家の室生犀星(さいせい)(1889~1962年)と交流を深め、大正後期には多くの作家が田端に集まり「文士村」として最盛期に迎えた。

 画賛幅は、芥川の友人の日本画家が、田端にあった料亭「天然自笑(じしょう)軒(けん)」での親睦会の様子を描いたもの。その中に、長崎から上京する友人に「この通り江戸はお酒も凍ります」と、東京の冬の厳しさを伝える俳句を書いた。室生も含め計4人が句を寄せている。

 同館の石川士朗・館長補佐は…

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