組み合わせ抽選会に臨む各校選手たち=2025年8月3日午後2時7分、大阪市北区、内海日和撮影

 第107回全国高校野球選手権大会(朝日新聞社、日本高校野球連盟主催、毎日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)の組み合わせ抽選会が3日、大阪市北区のフェスティバルホールであり、出場49校の3回戦までの組み合わせが決まった。

Aゾーン

Aゾーンの組み合わせ

 3度目の頂点をめざす日大三(西東京)が一枚上手か。中軸の本間律輝、田中諒をはじめ、今年も強打が売りだ。対する豊橋中央(愛知)もチーム打率3割5分4厘の強打が自慢。春夏通じて初出場の勢いを見せたい。同じく初の甲子園となる未来富山は富山大会6試合中5試合で2桁得点した。高川学園(山口)は本格派右腕の木下瑛二と技巧派左腕の松本連太郎の継投でどうかわすかに注目したい。

Bゾーン

Bゾーンの組み合わせ

 春の関東大会4強の山梨学院は、左腕檜垣瑠輝斗(るきと)と右腕菰田陽生(はるき)の二枚看板が強力だ。選抜大会8強の聖光学院(福島)は福島大会で5試合中4試合で逆転勝ち。機動力でかき回したい。

 2年連続出場の岡山学芸館は5試合で打率4割超、5打点の4番繁光広翔(こう)の勝負強さにかける。松商学園(長野)は長野大会7試合で無失策。久保田悟、漆戸大晟の二遊間を中心に守り勝つのが得意な展開だ。

Cゾーン

Cゾーンの組み合わせ

 健大高崎(群馬)は石垣元気と下重賢慎、佐藤龍月らの投手陣が5試合3失点と盤石だ。大会の優勝候補にも挙がるが、初戦でぶつかる京都国際は昨夏の甲子園で優勝投手になった左腕の西村一毅が健在。ハイレベルな投手戦が期待できる。

 金丸淳哉や広瀬賢汰に長打力のある尽誠学園(香川)に対し、東大阪大柏原は継投で目先を変え、大阪大会決勝で大阪桐蔭を破った粘りを見せたい。

Dゾーン

Dゾーンの組み合わせ

 昨夏準優勝、関東第一(東東京)は投打「二刀流」の坂本慎太郎を中心に総合力が高い。中越(新潟)はエース雨木天空中心の継投で勝機を見いだす。

 開幕試合は最速149キロの直球を持つ創成館(長崎)の森下翔太と大会屈指の好打者、小松大谷(石川)の田西称の対決が見ものだ。この勝者と当たる神村学園(鹿児島)は一昨年、昨年と2年連続で全国4強。入来田華月、今岡拓夢の上位打線は経験豊富で力強さがある。

Eゾーン

Eゾーンの組み合わせ

 春夏連続出場の沖縄尚学は、2年生エース末吉良丞が強力だ。左腕から最速150キロの直球を投げ、沖縄大会の29回でわずか1失点で40三振を奪った。大会屈指の投手に挙がる。対する金足農(秋田)も2年連続のマウンドとなる吉田大輝が安定している。投手戦に持ち込めば、好機で5試合15犠打飛の手堅さが生きる。

 仙台育英(宮城)は春の東北王者。左腕エース吉川陽大は制球が良く、5試合で2失策の堅守がもり立てる。鳥取城北は昨夏の甲子園で初戦敗退。そのときの主力が4人残り、雪辱に燃える。

 天理は下手投げのエース松村晃大ら、タイプの違う6投手をそろえ、奈良大会5試合を全て継投で勝ち上がった。鳴門(徳島)は4番稲山壮真を中心に好機をつくりたい。

 開星(島根)は1試合平均14得点の打線に力がある。特に4番の松崎琉惺は打率5割超、1本塁打に5盗塁と俊足。地方大会5試合中4試合を1点差で勝ち上がった宮崎商は接戦に持ち込めるか。

Fゾーン

Fゾーンの組み合わせ

 選抜王者・横浜(神奈川)の優位は揺るがない。奥村頼人、織田翔希ら多彩な投手陣と、地方大会7試合で2失策の守備力で手堅い試合運びをする。敦賀気比(福井)は1番に座る主将の岡部飛雄馬ら俊足巧打の打者が塁に出て揺さぶりたい。

 高知中央は高知大会4試合のうち3試合が3点差以内と接戦に強い。決勝で自己最速を8キロ更新して151キロを投げた2年生右腕の堅田徠可に注目だ。初出場の綾羽(あやは)(滋賀)は滋賀大会の全5試合で5得点以上。2本塁打の山本迅一郎ら中軸はパワーがある。

 津田学園(三重)の桑山晄太朗は奪三振能力が高い好左腕だ。春夏通じて初の甲子園となる叡明(えいめい)(埼玉)は、埼玉大会7試合のうち4試合が2桁得点。根本和真と細沼慶聡は打率が4割を超えるなど、打線に切れ目がない。

 3年連続出場の広陵(広島)と旭川志峯(しほう)(北北海道)はともに地方大会で6試合を戦い、四死球が35個以上と選球眼が目を引く。計22盗塁と機動力が光る広陵に対し、旭川志峯は計27犠打飛の手堅さが持ち味だ。

Gゾーン

Gゾーンの組み合わせ

 春夏連続出場の4校が入る激戦区だ。選抜準優勝の智弁和歌山と選抜8強の花巻東(岩手)は屈指の好カード。球威と制球力を兼ね備える智弁和歌山の右腕、渡辺颯人に対し、花巻東は古城大翔や赤間史弥ら長距離打者がどう立ち向かうか。

 秋・春の近畿王者、東洋大姫路(兵庫)は兵庫大会の打率が7割に迫る白鳥翔哉真を中心に、チーム打率3割9分6厘は今大会上位だ。下位でも長打を打てる。済美(愛媛)は持ち味の粘り強さで終盤まで食い下がれば、勝機も見える。

 選抜8強の西日本短大付(福岡)の打線は福岡大会でのぼり調子だった。中野琉碧、原綾汰の左右の二枚看板も防御率0点台と安定している。弘前学院聖愛(青森)の左腕芹川丈治は、緩急を生かした投球で投手戦に持ち込みたい。

 初出場の聖隷クリストファー(静岡)は2年生左腕・高部陸が低めの制球が安定していて大崩れしない。明秀日立(茨城)の打線はボールになる変化球に手を出さず、いかに狙い球を絞れるかがポイントだ。

Hゾーン

Hゾーンの組み合わせ

 勢いのあるチームが多く、混戦模様だ。出場校中最多ブランクとなる35年ぶり出場の青藍泰斗(せいらんたいと)(栃木)は機動力が武器で、栃木大会は5試合で計25盗塁。全国制覇した2007年の再現を狙う佐賀北は、稲富理人と片渕絢心(けんしん)のバッテリーが相手の足を封じ、あの夏同様、得意の接戦に持ち込みたい。

 市船橋(千葉)は千葉大会決勝の延長十回、4点差を逆転サヨナラで制した。明豊(大分)は大分大会決勝は九回に勝ち越し点を奪った。ともに終盤の競り合いに自信を持つだけに、継投のタイミングが鍵になりそうだ。

 県岐阜商は出場校中最多の計8本塁打と強打自慢。日大山形はシンカーが得意の小林永和(とわ)とキレで勝負する本田聖の両右腕が手痛い一発を浴びないようにしたい。

 北海(南北海道)は左横手の浅水結翔(ゆいと)が先発と救援でフル回転し、南北海道大会で防御率0・36。打線に自信を持つ東海大熊本星翔は熊本大会で打率5割5分の1番福島陽奈汰(ひなた)ら、右打者の対応力が鍵を握る。

共有
Exit mobile version