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【動画】横浜市内のみなとみらい21地区で花火を打ち上げるための台船が炎上=読者提供

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燃え続ける台船上で暴発する花火=2025年8月4日午後10時10分、横浜市神奈川区から、角野貴之撮影
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 4日午後7時45分ごろ、横浜市内のみなとみらい21地区で開かれていた花火大会の観客らから「沖合の花火の台船が燃えている」と110番通報があった。横浜水上署によると、花火を打ち上げるための台船が炎上した。海保などによると、花火師ら打ち上げ作業の関係者5人が乗船しており、全員救助されたが、50代男性1人が病院に運ばれた。命に別条はないという。

 花火大会はこの日午後5時半から開催された「みなとみらいスマートフェスティバル2025」の最後にあり、午後7時半ごろから約2万発を打ち上げる予定だった。主催者によると、同7時45分すぎに花火の中止を決めた。横浜海上保安部によると、花火大会では8隻の台船を使用し、燃えたのはそのうちの2隻。最初に炎上した台船に5人が乗っていた。5人は救命胴衣を着けて海に飛び込み、横浜市消防局の消防艇が全員を救助。このうち1人は病院に搬送されたという。炎上したもう1隻には乗船者がいなかった。

 同日夜、花火大会主催者はホームページで、「火災事故が発生し途中で中止致しましたことを心よりお詫(わ)び申し上げます。花火大会を開催した実行委員会として、まずはしっかり原因を究明してまいります」とのコメントを発表した。

 記者が海沿いのカップヌードルミュージアムパーク(横浜市中区)から北方向の海上を見たところ、午後10時15分現在でオレンジ色の火が揺れており、そこから断続的に花火が打ち上がっている。

「消防艇らしき船も、現場に近づけない様子だった」 目撃した人たちは

 花火を打ち上げる台船が炎上する様子を、多くの人が目撃していた。

 横浜市西区のユーチューバーあべむつきさん(29)は、マンションから花火を動画撮影していた。

 花火大会は午後7時半ごろから始まり、同50分ごろ、海上が明るく光っていることに気づいた。「花火大会ってこんな感じだったっけ?」。船から火の手が上がっているのだとわかった。

 直前まで、音楽に合わせて打ち上がる何発もの花火がマンション群の間から見え、「とてもきれいだった」。

【動画】横浜市内のみなとみらい21地区で花火を打ち上げるための台船が炎上=あべむつきさん提供

 取材に応じた午後8時50分現在で消火活動はまだ続いており、船上からは花火に引火したとみられる爆発音が断続的に聞こえてくるという。「まさかこんなことになるとは。けが人がでないことだけを祈ります」

 マンションから花火を見ていた横浜市の男性(54)は、一緒にいた親族から「火事っぽくない?」と声をかけられ、目を向けると、花火台が真っ赤に燃えていたのが見えたという。

 午後10時を過ぎても花火が打ち上がっており、「消防艇らしき船も現場になかなか近づけない様子だった」。

 友人と一緒に会場を訪ねていた神奈川県藤沢市の男性(47)は、打ち上げ会場から200~300メートルほど離れた海沿いの席で見ていた。「(筒が倒れて)こっちに向かってくるのが心配だった」。

 火の手があがった数分後、会場の音楽が消え、大会中止のアナウンスが流れた。「見物客は冷静に会場を後にしていた」と話した。

 海沿いの芝生席から夫婦で花火を見ていた横須賀市の男性は開始から約15分後、花火を打ち上げていた沖合の台船の一つが燃え出したのを見た。前身の大会から30年以上毎年楽しみにしているといい「けが人がないといいが……」と心配そうに帰路についた。

 横田正大さん(83)は有料観覧席で、家族5人で花火を見ていた。

 途中から花火が半円形で爆発するような状態が続いたことから「おかしいと思ったが、新しい演出なのかなとも思った」。そのうち、「中止します。速やかに退出してください」というアナウンスが流れた。

 観客たちはアナウンスに従って、騒ぐ様子もなく、退出の順番が来るまで時折上がる花火を眺めて待っていたという。「みんな冷静だった」

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