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現地の子どもたちとの交流会に参加した長友佑都(手前)=オーストラリア・パース
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 サッカー・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選のオーストラリア戦に向けた日本代表の練習が2日、豪州のパースで始まった。

 雨が降るなか、最初のランニングでいつも通り先頭を走ったのが38歳の長友佑都(FC東京)だった。すでにW杯出場を決め、初選出が7人とフレッシュな顔ぶれとなった今回の合宿でも、その存在感は際立つ。

 心境を問われると、「W杯に向けてのサバイバルだなっていうところなので。チームとして勝つことは大事ですけど、個人をしっかりアピールできないと、そこにつながっていかない」。きっぱりと言った。

 自身が初めて日本代表に選出されたのは2008年4月。17年前だ。「最初に代表に入った時は本当に緊張していた。香川真司と一緒に入ったんですけど、緊張していた思い出が、今でもしっかり残っている」

 初代表は誰でも硬くなるもの。それが分かっているからこそ、若い選手のフォローにも目が向く。パス回しでは若手をいじり、食事の時間には各テーブルを回って代表としての誇りや責任を伝えていきたい、とも語る。

 今回最年少の18歳で、FC東京でともにプレーした経験もある佐藤龍之介(ファジアーノ岡山)とは20歳差で「自分の息子といっても過言ではないくらい」。本大会まで、残り1年余。さらなる底上げを図り、20代前半の選手が多く呼ばれるチームの現状に「日々、怖いですよ。いつ、自分が排除されるのか、その不安と恐怖と戦いながら過ごしている」ともいう。

 ただ、自らにプレッシャーをかけ続けることで、目標に近づいてきた自負がある。5回目のW杯代表に向け、「ここで食い下がって、はいつくばってでも、この場所をしっかりと保っていけるように頑張りたい」。まだ出番のない最終予選で、アピールの機会を貪欲(どんよく)に狙っている。

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