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新たに設置された、禁止行為を明確にした看板=2025年5月26日午後2時25分、千葉県松戸市の梨香台団地、鈴木逸弘撮影
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 深夜に若者が集まり、大騒ぎをする――。そんな団地の悩みを、一人の警察官が解決に導いた。「総合防犯設備士」の資格を持つ警察官が見抜いた団地の弱点とは。

 「吸い殻、空き缶が捨てられたまま。鉢植えがなくなったことも」。千葉県松戸市高塚新田にある都市再生機構(UR)の梨香台(りこうだい)団地内で飲食店を営む女性は、憤りとともに振り返る。

「開かれた団地」ゆえに

 1975年に入居が始まった同団地は、11棟に959戸があり、入居者は高齢者が目立つ。多くのUR団地同様、敷地内に商店街や公園があり、近隣の人も敷地内を自由に行き交うことができる。そこで数年前から、住民でない若者が週末の深夜に集まって酒を飲んで騒ぐようになった。

 団地を管理する「URコミュニティ」は開かれた団地を掲げており、強い行動に出にくい事情もあり頭を抱えていた。昨春、松戸署に赴任した地域課長の山路邦晴さん(46)に相談した。

 山路さんは、警察官になる前は建築業界で現場監督をしていた。1級土木施工管理技士などの資格があり建物にも詳しい。そして最近、防犯設備について総合的にアドバイスができる総合防犯設備士の資格も取得していた。

 その山路さんが現地を見て気になったのは、広場の利用者への注意書きだったという。

看板に記された言葉

 「不審者を見たら110番し…

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