参議院選挙で参政党の最後の演説には1万人超の聴衆が集まった=2025年7月19日、東京都港区の芝公園、堅島敢太郎撮影

記者コラム「多事奏論」 編集委員・原真人

 政治家は次の時代のことを考え、政治屋は次の選挙のことしか考えない。

 そう言ったのは随筆家の高田保(1895~1952)だった、と半世紀前の「天声人語」に深代惇郎が書いている。

 そんな風に識別されたのなら、政治を志す者たちもおのずと政治家であろうという心構えを抱いたはずである。

 だが半世紀たった今も国会には次の選挙のことしか頭にない政治屋が横行しているし、与野党とも次の選挙のために財源なき減税や現金給付案を競っている。

 この残念な状況を招いた責任は有権者の側にもある。景気よくバラマキ策を掲げた政党が選挙で議席を伸ばし、財源にこだわる政党が不人気となれば選挙に弱い政治家は易(やす)きに流れてしまうだろう。

 何人かの国会議員たちから「若者の政治意識がつかみ切れなかった」という参議院選挙の反省の声を聞いた。

 立憲民主党の長妻昭・代表代行は躍進した政党に投票した人たちの声をたくさん集めた。そこから四つの「ダメ」が突きつけられたことが分かったという。

 ①既存政党はダメ。給与が上…

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