外国人旅行客の酒蔵ツアーガイドで三重県内の酒蔵を訪れた桜井篤さん=本人提供

 自動車メーカーの元エンジニアは、54歳で英語の学び直しを志し、56歳で英語能力試験のTOEICスコア800点超えを達成した。63歳で全国通訳案内士の資格を取得し、大阪・関西万博では共同館のアシスタントディレクターに――。三重県四日市市の桜井篤さん(64)は、「リスキリング」で夢をたぐり寄せた。その学び直しのひけつとは?

ボーナス下がる?学び直しの動機

 きっかけは、会社の管理職昇進の条件に「TOEICスコア700点」が加わったことだった。

 当時54歳。桜井さんは三菱自動車のエンジニアだった。

 「ボーナスが下がるのを避けたいというのが、スタートでした」

 700点未取得の管理職はボーナスがマイナス査定になるという。

 もともと英語は苦手だった。大学入試のときに、三重大学工学部を選んだのも、入試の2次試験科目に英語がなかったから。一念発起した。

 「英語と自分の好き・得意(なこと)を掛け合わせることができれば、自分も楽しめて誰かの役にも立ち、さらに一生現役でいられる」

 そう思って勉強に取り組み、苦手意識を少しずつ乗り越えた。

 約2年後、56歳でTOEICは820点に届いた。「年齢は関係ない。50代からの学び直しは、モチベーションの維持と勉強法がポイント」と語る。

英語学習どう習慣化?

 では、どんな勉強法だったのか。

 まず手を付けたのは、TOE…

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