前市長の岩倉博文氏(74)が健康問題を理由に任期途中で辞職したことに伴う北海道苫小牧市長選は12月1日に告示される。表明順に前市議の金沢俊氏(50)と前市職員の田村一也氏(49)が立候補の意思を示し、新顔同士の争いが濃厚となった。同市長選が新顔同士の戦いになるのは、4氏で争った1983年以来だ。
金沢氏は、三菱商事社員や市職員を経て市議に当選5回。2019年5月から約2年間、市議会議長も務めた。市長を5期18年務めた岩倉氏から「後継者」と指名された。子育て支援や教育問題など子どもに関する政策や経済振興、企業誘致などの公約を掲げる。自民党苫小牧支部、公明党苫小牧総支部が推薦している。
田村氏は25年余り務めた市職員を22日付で退職。苫小牧水道労組執行委員長や連合苫小牧の事務局長など労働運動にも取り組んだ。「岩倉市政は市民の考えを政策に十分に生かしていない」として、市民参加型のまちづくり、全ての世代が住みやすいまちをめざす。社民党道連合や立憲民主党苫小牧支部が推薦する。
金沢氏に与党の、田村氏に野党の、道・支部組織がそれぞれ推薦を出し、駅前再開発や人口減少対策など苫小牧市の将来像を巡る政策論争が期待される。与野党の対決構図は10年以来だ。
このほかにも立候補を模索する動きがある。9月1日現在の選挙人名簿登録者数は14万1614人。