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英国の再処理工場「ソープ」の使用済み核燃料プール。水中に四角い上端が見えるのが使用済み燃料=2013年10月、英中西部セラフィールド
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 英政府は、使用済み核燃料を再処理するなどして保有する100トン超の民生用プルトニウムについて、地中に埋めて廃棄する方針を発表した。日本の電力大手が英国に委託して取り出した約22トンも保管されている。今回の発表の適用範囲は、英国保有分のプルトニウムに限ったもので、日本を含む他国保有分については協議を続けるとみられる。

 日本は、原発の使用済み核燃料を再処理して、取り出したプルトニウムを再び発電に使う「核燃料サイクル」を進める。プルトニウムは「準国産エネルギー」で「資産」との位置づけだ。一方、プルトニウムは核兵器の原料となる。英国は使い道のないプルトニウムは「資産」ではなく「廃棄物」だと判断した。

 英政府が国際原子力機関(IAEA)に提出した報告によると、中西部セラフィールドの施設などに約140トンのプルトニウムを保管。このうち日本を含む他国保有分が約24トンある。

 1月24日、英エネルギー安全保障・ネットゼロ省は、保有するプルトニウムについて、地層処分を前提に「固定化」を進めると発表。プルトニウムが核兵器に転用されないよう、セラミックにして閉じ込める方法などが検討されている。英原子力廃止措置機関(NDA)が固定化の研究開発を続け、10年内に、核物質の処理などに向けて新たな施設を建設する方針だという。

 英政府の担当高官は声明で「期限なく長期保管を続けることは、将来世代に安全保障リスクと核拡散への注意の負担を残すことになる」と説明。「手の届かないところに置き、長期的な安全保障上の負担を軽減し、地層処分に適した形状にする」とした。

 英国はもともと日本同様、プ…

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