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ロンドンで2025年7月10日、共同会見を開くスターマー英首相(左)とマクロン仏大統領=AP

 英国のスターマー首相とフランスのマクロン大統領は10日、ロンドンで会談し、核抑止力の分野での連携強化に合意した。両国が保有する核兵器の運用面での協力や核政策の調整を進める。ロシアの脅威や欧州を軽視するトランプ米政権を前に、核保有国の英仏が欧州の防衛を主導する狙いがある。

 英仏両国は声明で、核兵器の保有や使用をめぐる決定権は独立しているとする一方、英仏いずれかの「死活的利益」が脅かされる事態では、両国の核兵器運用の協調が可能と表明。欧州に対する「極度の脅威」には英仏が対応を迫られることから、核抑止の連携が必要だとしている。両政府は今後、核兵器の政策や運用の調整を担う「核運営グループ」を創設する。

 スターマー氏は会見で、今回の合意を「歴史的な前進」と位置づけ、欧州や北大西洋条約機構(NATO)による安全保障に貢献できるとの考えを示した。マクロン氏は「今回の合意は我々のパートナーと敵対国が理解すべきメッセージだ」と述べた。英仏が核抑止の協調を明確にするのは今回が初めてという。

 欧州の核抑止力をめぐっては…

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