朝尾幸次郎さん(本人提供)
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 英語に不規則変化さえなかったら……。そう思ったことはありませんか? 動詞 go の過去形が went だと教わった時、「何で全然違うのよ?」と納得できない気持ちを抱きながらも丸暗記した読者は多いはずです。発音や動詞の変化に例外が多いことが、英語学習の壁になっているとさえ思います。

 しかし、英語の歴史をたどれば go の過去形が went になったのにも理由があるのです。「英語の歴史から考える英文法の『なぜ』」(大修館書店、税込み1980円)などを書いた朝尾幸次郎さんに話を聞きました。

英語本の著者に聞く

朝日新聞社の日本語解説つき英字新聞「朝日ウイークリー」の連載から人気のコラムを厳選して紹介します。今回は、インタビュー連載「英語本の著者に聞く」です。

 ――不定冠詞の「a」。現在は、後ろが母音になるとき例外的に「an」になると習いますが、もとは「an」が通常だったそうですね。

 もともと「an」があって、12世紀ごろに子音で始まる語の前で「n」が落ちて「a」が使われるようになりました。この変化はゆるやかで、h、w、u で始まる単語では長い間、「an」が使われました。

 ――「of」と「off」は、もともと同じ言葉だったということを知り、驚きました。

フランス語が of を変えた

 形が似ていますが、意味も同…

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