ロンドンの首相官邸付近で2024年10月30日、予算案に関する文書が入った「赤い箱」を持つリーブス英財務相=ロイター

 英労働党政権は10月30日、予算案を議会で示した。リーブス財務相は財政赤字を埋め、公共サービスや教育を充実させるなどとして、400億ポンド(約8兆円)相当の増税を発表した。

 労働党にとって、予算案の発表は7月の総選挙で政権交代を果たしてから初めて。今回の増税は1993年以来、最大規模となった。

 発表によると、来年4月以降、雇用主が負担する「国民保険」について、支払いが生じる従業員の最低年収を9100ポンドから5千ポンドへと引き下げる。さらに料率を賃金の13.8%から15%に引き上げ、これらの税収の増額分250億ポンドが大半を占めるという。

 労働党は選挙期間中、「働く人びとの税は上げない」とくり返し、公約にも盛り込まれていた。今回の発表は労働者を直接対象とした増税ではないが、英国の財政運営を監視する独立機関・予算責任局(OBR)は「労働者には賃金低下、消費者には価格上昇という形で転嫁されるだろう」と指摘している。

■「責任ある財務相なら責任起…

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