英国の総選挙で労働党が大勝し、14年ぶりの政権交代を果たしました。次の選挙までの最長5年間、英国を率いていきます。では、どんな課題が待ち受けているのか。外交・安保政策に変化はあるのか。慶応大学の細谷雄一教授(英国政治外交)に聞きました。
- 英保守党なぜ大敗 EU離脱で混乱、さらに追い打ちをかけたものとは
――今回の選挙をどう位置づけますか。
世界的に「民主主義の危機」や「二極化」、「中道の後退」が叫ばれるなか、民意によって、中道に戻った労働党が政権交代を実現しました。英国の民主主義の健全さが示される結果になったと考えています。
前回2019年は、ポピュリストであるジョンソン氏の保守党と、強硬な左派であるコービン氏の労働党が戦い、ブレグジット(英国の欧州連合<EU>離脱)が決まった後の「混乱」を象徴するような総選挙でした。
「インド太平洋から欧州へシフト」日本への関心は
その後、保守党が右傾化した…