ロンドン北部の商店街を歩くと、多くの店先に、ある候補者を支援するポスターが貼ってある。

 《コービンに投票を 私たちみんなのために》

 1983年から10回の当選を誇るベテラン議員、前労働党党首ジェレミー・コービン氏の選挙区だ。

コービン氏の立て看板では「無所属」と強調されている=2024年6月21日

 「彼は他の政治家とは違う。民のための人。自分の利益ではなく、民の側につける人。真の変化をもたらしてくれる人」。支援者のグロリア・ジョージさん(69)はそう称賛した。「いまの労働党はどんどん右寄りに、権威主義的になってしまっている。もはや保守党と大差はない」

 同じく支援者の無職、ナシュミル・バーワリーさん(29)は「社会正義」が最も重要な争点だと言う。「彼は社会全体を考えることができる。利権や階級政治にも反対してくれる」。パレスチナ自治区ガザの惨状に対して声を上げ続けていることも、支持する理由の一つだという。

写真・図版
ロンドンで2024年6月5日、立候補の届け出をしたコービン前労働党党首=AP

「まずは自ら変わらねば」 労働党の変化

 その労働党は今回の総選挙(…

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