語学の扉 白川優子さん

 国境なき医師団(MSF)の看護師として、シリアや南スーダンといった紛争地を中心に19回の派遣を経験した白川優子さん(51)は、意外にも英語に苦手意識があったといいます。29歳で挑戦した留学でも挫折しかけたそうです。どのように乗り越え、過酷な現場を生き抜く語学力を身につけたのか。白川さん流の英語術を聞きました。

 ――白川さんは著書で、MSFに入ろうと思った時点では「英語力ゼロ」だったと明かしていますね。

 そうなんです。看護師として3年の経験を積み、幼い頃からの憧れだったMSFの扉をたたいたのが26歳の時でした。説明会で英語力の条件があると知り、がくぜんとしました。考えれば当たり前なのですが、当時は明日からでも参加できると思っていたので。

 私は商業高校から看護の専門学校へと進み、英語は中学校以来ほとんど勉強していませんでした。そこから英会話学校に通うなどしましたが、その後に受けた「TOEIC」は平均より100点も低い430点でした。

背中押した母の言葉

 ――そこから一念発起して29歳で留学。よく決断しましたね。

 一度は諦めかけましたが、母…

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