首都圏唯一の商業炉である日本原子力発電(原電)の東海第二原発(茨城県東海村)の再稼働をめぐって論戦が繰り広げられていた東海村長選が7日投開票され、「再稼働は必要」とする現職の山田修氏(64)が4選を果たした。ただ、再稼働には複数のハードルが残っている。
7日夜、当選を決めた山田氏は「私の思いは(有権者に)十分伝えた。その思いを受けて私に一票を託してくれたことは非常に重い」と述べた。
山田氏は「脱原発」を掲げた村上達也前村長の後継として、2013年の村長選で初当選。再稼働についてこれまで「中立」としてきたが、今回は立候補にあたって「再稼働は必要」と明言。村長選では1万659票(得票率73%)を獲得した。
前回村長選での得票は1万1562票で、陣営幹部は「得票数はこれまでとそんなに変わっていない。原発へのスタンスを明確にしたことがプラスにもマイナスにも働かなかったことに少し安堵(あんど)している。村民は冷静に判断している」と分析する。
これに対し、「住民合意のない再稼働は認めない」と訴えて敗れた新顔で元法律事務所事務局長の大名章文氏(69)は、投票率が過去最低の46.94%(前回49.96%)だったことを挙げ、「半分以上が投票していない。村長選(の結果)をもって再稼働に突き進むのは早計だ」と主張する。
ただ、山田氏自身、村長選の結果だけで再稼働に向けた動きが急展開するとは考えていない。
山田氏も「早合点しない」、その理由は
7日夜には「この票と原子力…