茨城県河内町下加納の住宅で12日に刺し傷とみられる痕のある男性の遺体が見つかった事件で、県警は15日、司法解剖の結果、男性の死因は首を刃物のようなもので刺されたり、切られたりしたことによる外傷性ショックの疑いがあると発表した。県警は殺人事件と断定し、同日、竜ケ崎署に捜査本部を設置した。この住宅の住人男性(73)と連絡がとれておらず、県警は遺体がこの男性の可能性もあるとみて捜査している。
事件が発覚したのは12日午前9時45分ごろ。
県警によると、遺体が見つかった住宅は木造2階建てで、この家に住む一人暮らしの男性を訪ねた知人女性(69)が、1階台所で体の左側を下にして横たわっている遺体を見つけ、110番通報した。
遺体は死後10日~2週間ほど経っているとみられ、傷は首のほかに、胸や腹部に6カ所あり、左前腕には争った際に出来たとみられる傷もあったという。
住宅の敷地内からは、凶器とみられる刃物のようなものは見つかっていない。窓が割られるなどして、侵入された痕跡もないという。
ただ、ふだん、この家の駐車場に止めてあった住人男性所有の乗用車1台がなくなっているほか、住宅内の引き出しの中には、開けられている箇所があったという。
県警は当初、知人女性が12日朝に訪ねた際、家の玄関が施錠されていたと説明していたが、施錠については不明だと訂正した。
県警は、遺体の男性が7月上旬ごろに殺害されたとみていて、連絡がとれていない住民男性についても、7月1日午後3時ごろ、買い物をしている姿が近隣住民に目撃されているのが、確認された最後だという。
現場は河内町役場から東に約6キロの住宅や田畑が点在する地域。