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 現存最古の歴史書「古事記」を編纂(へんさん)した太安万侶(おおのやすまろ)の墓誌が、奈良市郊外の茶畑で出土し、大きなニュースになって46年。国の文化審議会は21日、この墓誌を国宝に指定するよう答申した。飛鳥時代の先端技術工房・飛鳥池遺跡の出土品など、奈良県内の文化財4件も重要文化財になる見通しだ。

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 飛鳥~奈良時代の官僚だった太安万侶については史料が乏しく、「古事記」の上表文と「続日本紀」に簡単な記述があるにすぎず、実在を疑う声もあった。わずか41文字が刻まれた墓誌の発見が、安万侶の実在を立証することにつながった。

 墓誌とは、石や金属の板、骨蔵器などに死者の名前や官職、没した日付などを刻み、墓の中に副葬したもので、古代中国にルーツがある。

 太安万侶の墓誌は1979年1月、平城京から約7キロ離れた奈良市東部の此瀬町の茶畑から偶然発見された。その直後、県立橿原考古学研究所(橿考研)が発掘調査を進め、墓の構造や墓誌の埋納状況が判明した。

2カ月休みなく調査

 長さ29・1センチ、幅6・…

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