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試合後に記念撮影する関西外国語大の選手たち

 初の全国大会まで、あとひとつだった。

 阪神大学野球連盟に所属する関西外国語大(大阪府枚方市)は8日、大阪産業大とのプレーオフに敗れ、初優勝を逃した。

 試合後、西浦敏彦監督は部員に語りかけた。「成長した君たちと、ここまで来られたことがうれしかった」

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 1部から2部に降格した5年前、2020年春から指揮を執ってきた。

 当時迎えてくれたのは、すねの高さまで茂った雑草だらけのグラウンド。練習の合間にスマートフォンを触り出す部員もいた。

 甲子園常連校出身の部員もいる。しかし、高校時代はレギュラーではなかった選手がほとんど。3年間ベンチ入りできなかったという選手もいる。「どこかで成功体験をしてほしい」。そんな思いでチームを立て直した。

 大阪市出身。地元の生野工高から一般受験で九州産業大野球部の門をたたいた。野球推薦で集まった選手たちのなかで捕手のレギュラーをつかみ、神宮球場での全国大会も経験した。卒業後は社会人野球の鷺宮製作所でプレー。チームメートには、現在は東洋大姫路高を率いる岡田龍生監督がいた。

 豊富な野球経験を持ちながら、学生に何かを押しつけることはしない。練習前、1人で草むしりをしながら部員の様子をうかがった。そして、野球のプレーとはまったく関係のないことから指導を始めた。

 「学校の授業にはきちんと出…

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