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雑草や木が茂ったグラウンドで草刈りをする卒業生。野球のスコアボードには「2011 春」などの文字が残る=2025年7月12日午後2時21分、福島県双葉町、関田航撮影
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 東京電力福島第一原発事故の影響で休校が続く福島県立双葉高校で12日、卒業生ら約20人が草刈りをした。在校生がいないまま2023年には創立100年を迎えたが、再開は見通せず荒れ果てる母校を案じて首都圏や近県からも集まった。

 「ちょうど高校野球の季節だけど、応援する学校がなくて寂しい。このグラウンドもきれいになって、いつかまた野球ができるようになればなあ」

 同校野球部は夏の甲子園に3度出場。1980年に大舞台を経験した同県大熊町の石田幸大(ゆきお)さん(63)は部室周辺で後輩たちと一緒に汗を流した。

 同県田村市から駆けつけた大学職員の坪井真喜さん(48)は「自分が通っていたときの思い出とか、何かよみがえるかな、と思って」。黙々と、草刈り機を振った。

 卒業生らの草刈りは今回が2回目。今年4月の創立記念日に初めて取り組んだ。

 2001年に卒業した千葉県酒々井町の官林春奈さん(43)が呼びかけた。

 創立100年記念事業の実行委員を務めていた22年から何度か、震災後長く放置された校舎へ入る機会があった。何者かに侵入され、ガラスが割られたり、落書きがされたりしているのを目の当たりにしてきた。

 震災前は約7千人が暮らして…

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