公正取引委員会は24日、物流業界の荷主と運送業者との取引状況を調べた結果を発表した。2023年9月~24年12月に計7万業者を対象にし、独占禁止法が禁じる「優越的地位の乱用」につながる恐れのある行為が計747件あった。うち約半数は、荷主の都合で運送業者が荷物の積み下ろしの待機を強いられる「荷待ち」で、荷主側に注意を呼びかけた。
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公取委は製造業者、卸売業者、協同組合などの荷主3万業者(うち回答1万5159業者)と運送4万業者(同1万2592業者)を対象に調べ、そのうち100社に立ち入り調査も行った。
その結果、独禁法違反につながる恐れがある行為が計747件あり、そのうち荷待ちが最多で372件、次いで代金の支払い遅延が118件、買いたたきが96件だった。同様の調査は例年行っているが、今回から、ドライバー不足が深刻化する中で問題視される荷待ちに特化した質問項目を追加し、結果に影響したとみられる。
こうした行為を確認し、公取委が書面で注意喚起をした荷主は計646業者。業種別の最多は農業・林業・水産業などの協同組合の70業者で、農協が最も多かった。次いで飲食料品の卸売業者だったという。