「超加工食品」という言葉をご存じですか? 近年、国際的に注目を集めていて、多く食べると健康への悪影響があると指摘する研究も。日本ではこれまで研究が少なかったのですが、この数年で摂取状況が次第に明らかになってきています。
超加工食品とは、ブラジルの研究者が提唱した考え方だ。複数の食材を工業的に配合して製造された、加工の程度が非常に高い食品を指す。ハムやソーセージ、菓子パン、清涼飲料水、即席麺などが代表的なものとされる。ただし、分類方法やルールは研究者によって複数あり、統一されていない。
海外では、超加工食品の大量摂取で肥満、循環器・脳血管疾患などの健康上のリスクを高めると指摘する研究が出ていた。日本ではこの2年で日本人の摂取状況に関する研究結果が相次ぎ発表された。
1日分エネルギーの3~4割が超加工食品から
一つは、昨年発表された、23都道府県に住む20歳から69歳の388人から4日間の食事記録データを収集した研究。米国ノースカロライナ大学チャペルヒル校の研究者らが開発した食品分類法を使い、食べた食品を加工レベル別に分類。食事の質を、1日に食べる食品の目安を示した食事ガイドラインや、摂取するべき栄養素の充足割合で点数化して評価した。
1日に取る総エネルギー量に対し、超加工食品が占める割合の平均値は、外食や総菜といった家庭外で調理された料理の分類方法により、多く見積もった場合で48.3%、少なく見積もって32.9%だった。最も割合が大きい食品群は、どちらの見積もり方でもパンや麺といった穀類・でんぷん質の食品だった。
超加工食品からのエネルギー…