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清和政策研究会(旧安倍派)の政治資金パーティー=2019年5月、東京都港区

 自民党最大派閥「清和政策研究会」(旧安倍派)が政治資金パーティー収入の一部を裏金化したとされる事件で、政治資金規正法違反(虚偽記載)の疑いで告発され、東京地検が不起訴にした同派の萩生田光一元政調会長の政策担当秘書について、東京第五検察審査会は「起訴相当」と議決した。議決書は「不起訴は納得できないので、起訴することを求める」としており、これを受けて地検は再捜査する。議決は6月10日付。

 審査の申し立てをした大学教授が29日、明らかにした。一連の事件で、検察審査会が議員関係者について起訴相当議決を出したのは初めて。再捜査で地検が不起訴としても、検察審査会が再び起訴すべきと議決すれば、萩生田氏の秘書は強制起訴され、刑事裁判にかけられる。

 議決書は、2019~22年分の虚偽記載額2290万円について「非常に高額であり、起訴すべき事案である」と指摘。秘書については「違法性を認識しながら萩生田氏に相談もせず、安倍派からの指示に反対することもせず、到底許されない悪質なもの」とし、「このような事案を起訴猶予にすることを続ければいつまでたっても収支報告書の虚偽記載はなくならない」と批判した。

 東京地検特捜部は24年5月、この秘書を捜査のうえ不起訴(起訴猶予)とし、検察審査会は10月に職権で審査して「不起訴不当」と議決。これを受けて再捜査した特捜部は12月、再び不起訴とした。しかし、この間に大学教授が秘書について告発を出していたため、その不起訴処分について改めて審査するよう検察審査会に申し立てをしたという。

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