東京都内で確認された雷=2024年

 雨の季節がやってきた。気をつけたいのが落雷。学校やスポーツ活動中の落雷事故も後を絶たない。対策の「最先端」を学校で取材した。

 愛知県扶桑町の私立誠信高校のグラウンド。その一角にある建物の屋上には、「雷探知機」のアンテナが取り付けられている。

 アンテナが雷を感知すると、赤色灯が回り、職員室の警報ブザーが鳴って生徒や教職員に知らせる仕組みだ。下校時間と重なれば、いったん外に出た生徒も校舎に呼び戻す。

 例年7~9月は毎日のように作動し、「空振り」も少なくないが、沢田英二教頭(54)は言う。「人が亡くなる落雷事故は万が一の確率かもしれない。でも、うちはその1回が起きた」

誠信高校のグラウンドに設置されている雷を探知するアンテナと赤色灯=2025年4月24日、愛知県扶桑町、小林直子撮影

 2014年夏、誠信高校のグラウンドで落雷事故が起き、練習試合でマウンドに立っていた野球部の男子生徒(当時17)が亡くなった。

死亡事故が発生、対策を強化

 当時からグラウンドには計1…

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