英国の高等法院が入る建物=2025年6月8日、ロンドン、藤原学思撮影

 生成AI(人工知能)が急速に発達するなか、コンテンツ保護の重要性も指摘されるようになりました。英国ではそれが争点となる裁判も始まりましたが、両者のバランスをどう保てばいいのでしょうか。この分野に詳しい英国のケリス・ウィン・デービス弁護士に聞きました。

  • 【このインタビューの前提となる記事はこちら】生成AI、著作権保護画像の無許可学習は許されるか 英国で法廷闘争

 すべてのAIに当てはまることだが、その能力は大量のデータを処理し、そのデータから学習する能力に依存している。

 根本的な問題は、人びとがインターネットに情報を公開しても、それを自由にコピーできるわけではないということだ。英国を含む世界の大多数の国には著作権法がある。他人の作品の大部分を複製することは、著作権侵害に該当する。

 英国の法律では「テキスト及びデータのマイニング(TDM)に関する例外規定」というものがある。つまり、合法的にアクセス可能な素材について、非営利の研究目的であれば、それ(データの抽出や分析)を行うことができるというものだ。

 今回、英国で始まった訴訟(…

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