葛飾区役所=2025年5月7日午前11時38分、東京都葛飾区立石5丁目、佐野楓撮影

 東京都葛飾区は12日、小林宣貴副区長が今月末で辞職すると発表した。葛飾区では、FCバルセロナ(スペイン)公認サッカースクール「バルサアカデミー」の葛飾校の運営を始めた法人による不透明な経営が発覚。小林副区長は開校当時の区の担当課長で、事業を主導したとされ、この問題に関して区議会で答弁に立つなどしていた。

 アカデミーをめぐっては、運営を始めた一般財団法人が区営グラウンドを優先的に利用できる協定を区と締結。しかし、同法人は協定を結んだまま2023年、区に無断で別会社に事業を譲渡するなど、不透明な運営が問題視され、区議会が全容解明を求めていた。

 区によると、小林副区長は9日、「一身上の都合」を理由に辞職を申し入れ、区長が受理した。副区長は取材に対し、アカデミーの運営について「誘致を担当した課長時代以降は関わってはいないし、事業譲渡も全く知らなかった」と問題への関与を否定。「わずかでも(関与の)疑いをかけられたのは事実で、この間に職員に迷惑をかけ、区政も混乱させてしまった。葛飾区のイメージ低下にもなりかねず、その責任は何らかの形で取らなければならないと考えた」と話した。

共有
Exit mobile version