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【動画】銀天街に描く黄金色の夢 希少ウイスキーを名画のように 丹後屋の挑戦=戸田拓撮影

 「1772 Littlemill」「1775 Glenturret」「1779 Bowmore」……。暗号のような看板が目印だ。一見、意味不明な文字列だが、愛好家には通じる。歴史に名高いウイスキーの蒸留所と設立年が列記されているのだ。

 シャッターを閉めた店も多い、伊予鉄道松山市駅前の商店街「松山銀天街」。酒店「ドラムハウス/ウイスキーギャラリー丹後屋」は2024年6月、その東端に近い一角に開店した。

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丹後屋は18世紀からのシングルモルトウイスキーの年譜を店の看板に掲げている=2月14日、松山市湊町3丁目、戸田拓撮影

 約40平方メートルの店内は、オーナー牧田圭右さん(43)が長年買い集めたウイスキーなどのボトルが壁面を埋め尽くす。

 「ギャラリー」の名にふさわしい壮観で、その数約1200種類。重複はないという。1960年代に製造された長期熟成のスコッチ、閉鎖した伝説の蒸留所のシングルモルト、銘柄100周年の限定ボトル。「これだけのウイスキーを一覧できる店は、東京や大阪でも珍しいと評価された」。牧田さんは胸を張る。

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丹後屋には女性客も気軽に訪れる。「銀天街に新しいお店ができてうれしかった。珍しい銘柄がたくさんあり、いろいろ教えていただいています」と語る常連客の森澤善江さん(中央)=2月14日、松山市湊町3丁目、戸田拓撮影

 ボトル販売のほか、角打ちスタイルで試飲もできる。香りが立ちやすいテイスティンググラスによるストレートはもちろん、ロック、水割り、ハイボールなど好みの飲み方を選べる。

 ウイスキーごとの個性をより感じてもらうため、グラスの選定にも気を配った。グラス1杯1千円以下からあり、最上級にレアな銘柄は1万2千円だ。

ウイスキーに魅せられた学生時代

 店じまいは午後8時とやや早…

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