【動画】銀天街に描く黄金色の夢 希少ウイスキーを名画のように 丹後屋の挑戦=戸田拓撮影
「1772 Littlemill」「1775 Glenturret」「1779 Bowmore」……。暗号のような看板が目印だ。一見、意味不明な文字列だが、愛好家には通じる。歴史に名高いウイスキーの蒸留所と設立年が列記されているのだ。
シャッターを閉めた店も多い、伊予鉄道松山市駅前の商店街「松山銀天街」。酒店「ドラムハウス/ウイスキーギャラリー丹後屋」は2024年6月、その東端に近い一角に開店した。
約40平方メートルの店内は、オーナー牧田圭右さん(43)が長年買い集めたウイスキーなどのボトルが壁面を埋め尽くす。
「ギャラリー」の名にふさわしい壮観で、その数約1200種類。重複はないという。1960年代に製造された長期熟成のスコッチ、閉鎖した伝説の蒸留所のシングルモルト、銘柄100周年の限定ボトル。「これだけのウイスキーを一覧できる店は、東京や大阪でも珍しいと評価された」。牧田さんは胸を張る。
ボトル販売のほか、角打ちスタイルで試飲もできる。香りが立ちやすいテイスティンググラスによるストレートはもちろん、ロック、水割り、ハイボールなど好みの飲み方を選べる。
ウイスキーごとの個性をより感じてもらうため、グラスの選定にも気を配った。グラス1杯1千円以下からあり、最上級にレアな銘柄は1万2千円だ。
ウイスキーに魅せられた学生時代
店じまいは午後8時とやや早…