叡王戦第5局の対局開始時の様子=2024年6月20日、甲府市、日本将棋連盟提供
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 将棋の藤井聡太叡王(えいおう)(21)=名人・竜王・王位・王座・棋王・王将・棋聖と合わせ八冠=が20日、甲府市で指された第9期叡王戦五番勝負(不二家主催)第5局で挑戦者の伊藤匠(たくみ)七段(21)に敗れ、シリーズ2勝3敗で叡王を失冠した。

  • 八冠独占を崩した伊藤匠・新叡王、裏返しのパズル解く特殊な記憶力

 藤井は2020年に初タイトルを獲得し、昨年6月に史上最年少での名人獲得、同10月には史上初の八冠独占を果たすなど22期連続でタイトルを奪取・防衛してきたが、初失冠となって七冠に後退した。八冠保持期間は254日間で終わった。

 新叡王となった伊藤は藤井と同学年。17歳だった20年に棋士になり、昨年度の竜王戦、棋王戦に続き、今回タイトル挑戦3度目にして初めて奪取に成功した。この五番勝負では、藤井が先勝した後、伊藤が2連勝。藤井が土俵際の第4局を制してタイとしたが、最終局の激闘を伊藤が制した。(北野新太)

羽生善治会長「今後もしのぎを削る勝負を」

 日本将棋連盟の羽生善治会長は20日、「伊藤匠七段、叡王獲得、誠におめでとうございます。タイトル戦3回目の挑戦での戴冠(たいかん)は、喜びも大きいと思います。今回の五番勝負は、最先端の将棋の魅力が余す事無く表現されたシリーズだと感じました。今後も藤井竜王・名人と、しのぎを削る勝負を末永く繰り広げられる事を期待しています」との談話を出した。

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