防衛から一夜明け、取材に応じる藤井聡太名人=2025年5月31日午前9時1分、茨城県古河市、関田航撮影

 第83期将棋名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛)で永瀬拓矢九段(32)の挑戦を4勝1敗で退け、名人戦3連覇を達成した藤井聡太名人(22)=竜王・王位・王座・棋聖・棋王・王将と合わせ七冠=が31日朝、第5局が行われた茨城県古河市のホテル山水で、防衛から一夜明けての心境を語った。

 同市などの地元主催で行われた第5局は30日午前に千日手が成立し、初手から指し直しに。大熱戦の末、午後11時16分に終局した。感想戦を終え、名人防衛の記者会見を終えたのは31日午前1時すぎ。就寝したのは「千日手局と指し直し局を振り返ってから。遅かったと思います」と、藤井名人は少し眠そうな笑顔で答えた。

 3期連続の4勝1敗という好スコアで名人位獲得を続けている。快勝にも見えるが、「今期も、内容的には『こちらが押していた』という感覚はまったくないのが正直なところ」と藤井名人。「今シリーズは、どれも難しい将棋だったが、後半の第4、5局は自分として良くないところも多く出てしまったので、苦しみながらの防衛という感じ」と振り返り、「ただ、その中でも防衛という結果を得ることができた喜びも少し湧いてきています」と胸中を明かした。

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