【将棋名人戦中継】藤井聡太名人ー永瀬拓矢九段 究極の対決をライブで【第83期将棋名人戦第5局1日目】

 藤井聡太名人(22)=竜王・王位・王座・棋聖・棋王・王将と合わせ七冠=に永瀬拓矢九段(32)が挑戦している第83期将棋名人戦七番勝負第5局(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛、地元主催=古河市将棋名人戦実行委員会)が29日から茨城県古河市のホテル山水で行われる。

 研究パートナーでもある両者のタイトル戦。藤井名人は3連覇を、永瀬九段は初挑戦での名人奪取を懸ける。シリーズは名人が開幕3連勝で防衛に残り1勝と迫ったが、千日手指し直しの激闘となった第4局を挑戦者が制して踏みとどまった。名人は決着を、挑戦者は連勝を目指す第5局となる。

  • 【第4局詳報】永瀬拓矢九段、深夜0時50分に語った一手 名人戦初勝利

 対局は藤井名人の先手で29日午前9時に始まり、午後6時半に封じ手時刻を迎える。立会人は藤井猛九段(54)、朝日新聞副立会人兼解説者は斎藤明日斗六段(26)、大盤解説は佐藤紳哉七段(47)、聞き手は古河市出身の宮宗紫野女流二段(37)、記録係は鈴木廉太郎三段と齋藤光寿三段が務める。

 2日間にわたって戦われる第5局の模様をタイムラインで徹底詳報する。

将棋名人戦第5局の初手を指す永瀬拓矢九段(左)。右は藤井聡太名人=2025年5月29日午前9時、茨城県古河市、菊池康全撮影

勝負見守る「一擲」の書 対局室、40畳すべて張り替える

 対局室はホテル山水の最高級和室「吉祥」。約40畳で全て張り替え、壁も塗り直した。そして窓際の床の間に架けられたのは「一擲(いってき)」の書。女将(おかみ)の高橋采子(あやこ)さん(77)が旧知の書家・源川(みながわ)彦峰(けんぽう)さんに「何か特別な書を」と依頼すると、乾坤(けんこん)一擲の勝負である名人戦にこそふさわしい、としたためてもらった。

 躍るような書体に1画の「一」に18画の「擲」の均衡が美しい書は、荘厳なたたずまいで両対局者を見守っている。

 第4局を名人が制していたら実現していなかった古河対局。高橋さんは「第4局はスタッフと見守っておりました。永瀬さんが勝たれて開催が決まった時は喜びと同時に責任感の畏れのような思いでした。驚きましたが、夢が現実になったと思いました」と笑顔を見せ、丸い瞳を輝かせていた。

対局室に架けられた「一擲」の書。両者は今、文字通り「乾坤一擲」の勝負を戦っている=2025年5月29日午後0時59分、茨城県古河市のホテル山水、北野新太撮影

13:00

対局再開

 1時間の昼食休憩が終わり、午後の対局が始まった。

 手番の永瀬九段は再開の30分ほど前に対局室に戻っていた。ということは、あのボリュームの昼食を30分で平らげたことになる。「すごい……」。関係者から感嘆の声が漏れた。

 藤井名人は2分前に対局室に入った。

 再開後まもなく、永瀬九段が▲4五歩を着手した。

12:00

古河名産の勝負メシ

 永瀬九段が49手目を考慮中に正午になり、昼食休憩に入った。

 藤井名人のランチは「古河名物 甘露煮物語」。古河の名物であるフナの甘露煮のほか、子持ちアユの甘露煮、茨城県のブランド豚肉「常陸の輝き」の甘露煮が一度に楽しめる。「常陸の輝き」は「やわらかい」「うまみが濃い」「香りが良い」のが特徴という。飲み物は「古河市お茶農家のさしま茶」。

藤井聡太名人は「古河名物 甘露煮物語」と「古河市お茶農家のさしま茶」=2025年5月29日午前11時42分、茨城県古河市

 永瀬九段は「勝利の紅白うな重」だ。ウナギのかば焼きと白焼きが載っている。地元の実行委員会発行のメニューブックには「勝負メシ」の最初に掲載され、「名人戦という一世一代の大勝負にふさわしい食事として、自信を持っておすすめします!」と書かれている。

 永瀬九段はさらに、手作りアイス「こがくらふとあいす&」のミルク味とイチゴ味、午前のおやつでも頼んだ「まんまるメロンソーダ」、桃ジュース「ももかのじぃじがつくった古河の味」も注文した。

永瀬拓矢九段は「勝利の紅白うな重」(右)と「まんまるメロンソーダ」(左手前)、「こがくらふとあいす&」のイチゴ味とミルク味(左上)、「ももかのじぃじがつくった古河の味」(中央上)=2025年5月29日午前11時42分、茨城県古河市

 撮影用のテーブルには、地元の自慢の逸品がずらりと並んでいる。

11:20

宮宗女流二段「おいしいものたくさん」

 茨城県古河市出身の宮宗女流二段がユーチューブ「囲碁将棋TV」の中継にゲスト出演した。

 現地の大盤解説会で聞き手を…

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