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藤井聡太名人の「初心」 盤面に没頭していけたら【第82期将棋名人戦七番勝負】

 藤井聡太名人(21)=竜王・王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖と合わせ八冠=が初防衛を目指す第82期将棋名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛)が10日、東京都文京区で開幕する。昨期、40年ぶりの史上最年少名人となった藤井名人に単独インタビューをした。

 数々の名勝負を戦ってきた挑戦者の豊島将之九段(33)について、現在の将棋観について、将棋を指す理由について――。

理想の「面白い将棋」の意味や「極限に近いところまで集中することができた」対局について、そしてABEMA地域対抗戦でチームメートでもある豊島九段の将棋の変容について。名人戦に向けた思いを尋ねた。

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――初防衛戦を迎えます。

 「昨年6月に名人を取ることができて、第82期の開幕まであっという間だったな、というのが実感です。獲得当日と翌日に『名人』と揮毫(きごう)して、すごく緊張したのですが、免状(注・アマチュアに贈呈する段位認定状。日本将棋連盟会長、名人、竜王が直筆で署名する)でも『名人』と肩書を署名するので、少しずつ慣れてきたのかなとは思います」

 「一方で、名人位の重みは変わらず感じています。『名人』は『道を極めた人』という意味を持つ言葉でもあるので、少しでも(将棋道に)取り組んで近づいていきたい気持ちはあります。名人の境地に至るのは難しいことなので、まずは集中して対局に臨むことが何より大事だと。ただ、(名人位を)守らなければならないと思うとプレッシャーになるので、立場は意識せず、名人戦という舞台で指すことを楽しめたらいいなと思います」

――七番勝負への決意を『初心』と書かれました。込めた思いは。

 「最近の豊島九段は、振り飛…

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