第83期将棋名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛)で名人戦3連覇を果たした藤井聡太名人(23)=竜王・王位・王座・棋王・王将・棋聖と合わせ七冠=の就位式が4日、東京都文京区のホテル椿山荘東京であった。
藤井名人は永瀬拓矢九段(32)の挑戦を4勝1敗で退けた。約400人のファンらを前に「永瀬九段と持ち時間9時間の名人戦の舞台で対局をして、将棋の奥深さをより深く感じることができた」と振り返った。
開幕3連勝のあと、第4局、第5局が続けて千日手になる異例のシリーズ。藤井名人は「もっとも千日手を意識するシリーズでした。一手一手の探求の結果、千日手になる面白さと限られた時間の中で指し直す難しさ、その二面性も将棋の面白さだと感じた」と語った。
就位式では、日本将棋連盟の清水市代会長から推戴(すいたい)状が手渡された。恒例の大和証券グループから贈られる記念品は、前期は電動自転車、前々期はテレビだったが、今回は本人の希望で旅行券だった。藤井名人はトークショーで「両親にも旅行を楽しんでもらえたらな、という気持ちもあり、リクエストさせてもらいました」と明かした。
「計画を立てることもふくめて、これからどんなところに行こうかなと楽しんで考えたいと思います」とし、行き先について「自分はアウトドアは得意ではないので、まずは温泉に行ってのんびりしたいなと思います。タイトル戦も温泉地で開催していただくことが多いので、一石二鳥のような気がしています」と会場の笑いを誘っていた。