警察が2024年に児童虐待で摘発した件数は、前年比264件増の2649件で過去最多だった。事件で被害を受け死亡した18歳未満の子どもは52人で、半数近くが無理心中によるものだった。警察庁が5日に発表した。

 親などからの虐待で摘発された事件で被害を受けた子どもは2700人だった。被害を受けた子どもは、15年までは数百人で推移していたが、16年に1千人、20年に2千人を超えた。

 24年に亡くなった子どもは前年から24人増えて52人だった。

 24年に摘発された事件を加害者別でみると、実父の1233人が最多で、実母704人、養・継父438人と続いた。虐待の種類別では「身体的虐待」の2136件が最多。増加が目立つのは「性的虐待」(431件)で、10年間で3.7倍に増えた。

 摘発のきっかけについて警察庁が初めて調べたところ、24年は子どもや親族、近隣住民などからの通報や相談が半数を占めた。ほか4割は児童相談所からの通報で、1割が学校や自治体、病院などからの通報だった。

 近隣住民などからの通報や相談が摘発のきっかけになることが年々増えており、警察庁は社会的な関心が高まっているとみている。警察が児童相談所に児童虐待の疑いがあると通告した子どもの数は、24年は前年比0.3%減の12万2378人で高止まりしている。

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