【動画】インドネシアの昆虫ビジネス、行き先は日本
「日本に送る虫のおかげで家が建った」。インドネシア中部スラウェシ島でカブトムシやクワガタを農家から買い取り、業者を通じて日本に輸出している男性がいる。地域では農家の副業として虫の捕獲が定着。日本の愛好家や子どもたちを笑顔にさせているが、乱獲による生態系への影響も懸念されている。
木に登った農家の男性が、次々と黒いものを下に落とす。地面に転がるのは、10センチ近くはあろうかというオスのスラウェシオオヒラタクワガタだ。立派なあごが特徴で、日本では一匹数千円で売られることもある。
クワガタを大事そうに拾い上げるのは、昆虫買い取り業を営むアリさん(49)。大物を手に満足そうな表情で、「また頼むよ」と男性に紙幣を渡した。
コーカサスオオカブトやスマトラオオヒラタといったインドネシア産のカブトムシやクワガタは日本で大人気だ。インドネシア政府の統計では2021~24年までの昆虫の総輸出量は約3400キロで、日本向けが約3300キロを占める。各地にアリさんのような買い取り業者がおり、輸出許可を持った業者を通じて国外に輸出される。
家の紋章はクワガタ 虫で「御殿」建てるまで
過去4年間でインドネシアから国外に輸出された昆虫約3400キロのうち、実に約3300キロが日本行き。記事後半では、カブトムシやクワガタを「害虫」として認識していたアリさんが知人を巻き込んで昆虫買い取り業を始めることになった経緯のほか、捕りすぎが与える影響にも触れています
アリさんが昆虫買い取り業を…