「蛇喰」「蛇ケ谷」「蛇穴」。あなたはいくつ読めますか――。奈良県内には、新年の干支である「蛇(へび)」が地名につく場所が複数あるのです。
生駒市上町の蛇喰は「じゃはみ」と読む。丘陵地にはさまれた中を富雄川が流れ、農村の風情が残る静かな場所だ。
同市図書館には地名の由来の問い合わせが時折寄せられるという。だが、資料の乏しさから、市史編さん係の錦好見・学芸員は「散歩で珍しい地名だと思った方からのようですが、川が蛇行しているからではないかというお答えしかできなくて……」と残念そうに話す。一帯は中世までは上鳥見荘(かみとみのしょう)と呼ばれる荘園で、江戸期には既に蛇喰の地名が使われていたという。
「蛇ケ谷」は黒滝村の「じゃ…