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 東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出が始まり、24日で1年。中国が日本の水産物の輸入禁止を始め、主役だったホタテは行き場を失い危機的な状況に一時陥ったが、国内消費は上向きで、回復に向かっている。

 北海道のオホーツク海に面した紋別港。ホタテの加工工場は8月上旬、最盛期を迎え、水揚げされたばかりのホタテが大型トラックで次々と運ばれていく。流通業者によると、今年に入ってから良い状態が続いているという。

写真・図版
冷凍ホタテの保管倉庫。昨秋は在庫でいっぱいだった=2024年8月9日午前11時55分、北海道紋別市港町、丸石伸一撮影

 だが、中国の禁輸が決まった1年前は中国向け輸出はゼロとなり、商品の流通も止まっていた。稚貝から育てるホタテ漁は、計画的な水揚げが必要で、工場の稼働はやめられなかった。冷凍ホタテの在庫は積み上がり、その保管料が赤字をさらに膨らませた。地元の丸ウロコ三和水産では、冷凍ホタテの在庫が例年の4倍近くになったという。

日本の海産物でホタテは「王様」

 ホタテは日本の海産物の中で…

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