米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の辺野古移設計画をめぐり、朝日新聞と沖縄タイムスが共同で行った46都道府県知事へのアンケートでは、政府の姿勢を疑問視する回答も寄せられた。国と地方の関係は、どうあるべきなのか。岩手、滋賀の両県知事に聞いた。(伊藤和行、上地一姫)
達増拓也 岩手県知事
――辺野古移設計画は「どちらかといえば不適切」と回答しました。
戦後79年が経ったにもかかわらず、外国軍の基地が造られることは基本的にあってはならない。(現在の移設計画は)2006年の日米合意で決まったが、米側と再協議すべきだ。
米国は、日本と同じ民主主義の原則を共有する国だ。過去3回の沖縄県知事選で「辺野古反対」を訴える候補が当選し、県民投票でも「埋め立て反対」が約7割。建設予定地の地盤も良くないようなので再協議しませんか、ということだ。
――政府による初の「代執行」など手続きも問題視しています。
地元の理解を得るべきだった。国と地方は対等な関係のはずだが、非常に中央集権的で強権的な運用がなされた。(政府には)本来、県民や国民が納得するような政治的努力が求められるのに、それをせず、行政技術論で進めてしまった。外交や防衛は国民の納得がなければ成功しない。地方の首長は、そういう国の在り方にどんどん意見を言っていいと思う。
――多くの知事が「安全保障は国の専管事項」と答えを控えました。
もちろん、発言をしない自由…