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仮設住宅で実際に使われたテーブルを置き、当時の狭い生活スペースを疑似体験した=2025年6月30日、岩手県大槌町、東野真和撮影

 東日本大震災やその後の復興などを学びに、小学生18人が6月30日、岩手県大槌町で震災当時避難所になった吉祥寺を訪れた。震災体験者の話を聴いたり、仮設住宅の狭さを段ボールで疑似体験したりした。

 岩手県出身の新渡戸稲造が初代校長だった学校が由来の新渡戸文化小学校(東京都中野区)は毎夏、大槌町をスタディーツアー(修学旅行)の滞在先に選んでいる。この日は6年生53人が震災後に復興した町内を見学後、ジビエ加工など3つのコースに分かれ、ひと組が吉祥寺に来た。

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児童らは東日本大震災の犠牲者らの位牌が並ぶ納骨堂で、高橋住職から震災当時の話を聞いた=2025年6月30日、岩手県大槌町、東野真和撮影

 同寺の高橋英悟住職は、町で関連死を含む1286人が犠牲になり、その3分の1が見つかっていないことを説明した。津田遼太さん(11)は「せめてお別れを言いたいだろうな」とうつむいて感想を話した。

 また、避難者が過ごした仮設住宅の狭さを実感してもらうため、段ボールで囲った空間を本堂に設けた。児童たちが入り、「体が当たるね」と窮屈さを味わっていた。

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震災の話を聞く前に座禅で精神を整えた=2025年6月30日、岩手県大槌町、東野真和撮影

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