都心から車で約2時間。東京から一番近い棚田「大山千枚田」は、千葉県鴨川市の緑豊かな田園の一角にある。
県の最高峰・愛宕山(標高408メートル)のふもと、3.2ヘクタールの傾斜地に、375枚の田が段々に並ぶ。勾玉(まがたま)のような形や、細長い丸……大きさも形も不規則で、曲線が美しい田は、見る角度によって表情が変わる。
【撮影ワンポイント】大山千枚田
青空に夏らしい雲がわき上がり、黄金色の稲穂との対比が美しい大山千枚田。夕刻の斜光時を狙ったが、山や建物の影が予想以上に棚田に差し込み、断念。翌朝、日の出前から刻々と明るくなる棚田を様々な角度から狙った。撮影位置が少し違っても棚田の見え方がかなり違って印象が変わるので、歩き回って好きな場所をいくつか撮影した。(吉本美奈子)
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8月半ば。強い日差しの下、稲穂は既にこうべを垂れていた。「暑さで実りが早く、稲刈りを1週間早めました」と、NPO法人「大山千枚田保存会」事務局の牛村展子(のぶこ)さん(60)は話す。下旬には稲刈りが始まった。
2000年に39組でスタート
鎌を手にするのは、主に首都…