英領・北アイルランド出身のヒップホップグループが論争の的になっている。議会ではイベントへの出演禁止を求める声があがり、ボーカルの男性は刑事訴追もされた。一方、ミュージシャン仲間からは「表現の自由に対する政治的な抑圧だ」と反発する声も出ている。
論争の中心にいるのは、北アイルランドの最大都市ベルファストを拠点とする3人組の「ニーキャップ」(Kneecap)。英語とアイルランド語を交ぜてラップし、2017年に最初の曲をリリースした。一部の若者らから熱狂的な支持を得ている。メンバー3人の半生を描いた自伝的映画は、今年の英国アカデミー賞で6部門にノミネートされた。
騒動のきっかけは、米国の大型音楽イベント「コーチェラ・フェスティバル」。ニーキャップは4月11、18日に出演し、「くたばれイスラエル、パレスチナを解放せよ」とのメッセージをスクリーンに映し出したり、「パレスチナ人には逃げ場がない。それをジェノサイド(集団殺害)と呼ばないなら、なんと呼ぶのか」と訴えたりした。
■過去の発言、掘り起こされる…