米価の高騰を受け、放出された政府備蓄米は「備蓄米」と表示せずに販売されている。店頭で分かりづらい中、実際に味わったお米マイスターは品質を評価。かつて備蓄米の管理を担当した元官僚は味を保証できるからこそ、「備蓄米と表示すべきだ」と訴える。

  • ついにスーパーに並んだ備蓄米 表示なし、銘柄米より1千円ほど安く

 農林水産省は3月中旬の入札で「ひとめぼれ」や「はえぬき」など計41品種の備蓄米約14万2千トン(茶わん約21億8千万杯分)を放出。9割以上を落札した全国農業協同組合連合会(全農)は「消費者の混乱を避ける」ため、店頭での販売の際に「備蓄米」と表示しないよう要請する。

 一方で、「備蓄米と分かるようにして食べてもらってもよかったのでは」と話すのは、五ツ星お米マイスターやごはんソムリエの資格を持つ渋谷梨絵さんだ。

備蓄米のブレンド米を食べ、味などを説明する渋谷梨絵さん=2025年3月31日午後2時53分、東京都墨田区

 ブレンド米で販売される備蓄米は、袋の裏に「複数原料米」などと記載される。当初は同じ銘柄の米を一定量購入できるか分からず、米の産地や年産が異なっても素早く出荷するための対応だったという。

 渋谷さんは朝日新聞が購入した備蓄米が使われたブレンド米を手に取り、「粒がきれいですね」と評価。一般的に低価格のブレンド米は安い銘柄や年産が古い米を混ぜて販売される。粒が小さかったり、割れたりしている米が混じるケースもあるが、「そうした粒がない」。今回の備蓄米は2024年産が大半で、古米から出る特有の臭いも感じないという。

 2合を炊き、試食してもらった。渋谷さんは「ツヤ感があり、普通においしいお米だ」。米の劣化がほぼみられず、粒立ちもよく、煮魚やハンバーグなど味付けが濃い料理と合うという。

 渋谷さんは「備蓄米のブレンド米というと『古い米でおいしくないのでは』と、悪いイメージを持つ人もいる。全農の考えも分かるが、実際に食べると、備蓄米は品質が高いことが分かる。だからこそ、分かるように販売してもいいのでは」と話す。

【動画】売り出された備蓄米入りのブレンド米を食べてみた。その味は?=山田暢史撮影

高品質、「備蓄米の信頼高めるチャンス」

 横浜市のスーパーでは、5キ…

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