長野県中野市で2023年5月、警察官を含む4人が殺害された事件で、事件の直後に現場に駆けつけた中野署員が4日の初公判に出廷し、殺人罪などに問われた同市江部の農業青木政憲被告(34)との生々しいやりとりを証言した。
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中野署員の証言によると、「男が女を刺しているので、向かって欲しい」と上司に指示され、同僚とともに車で向かった。被告の自宅の横に倒れている人がおり、駆けよろうとすると、住宅の中に散弾銃を持った被告がいることに気づいた。もう一人の同僚に逃げるように声をかけた。
その後、散弾銃を持ったまま被告が外に出てきて、自分を追いかけたため、建物の周囲を回るように逃げたという。
その際、「銃をおろせ」「ここは銃を持っていい場所ではない」と伝えると、被告は「そんなことは分かっている」「(銃を)撃たないので、どっかに行くように」と返事をした。被告はその後、自宅の方向に向かっていったという。
言葉を交わした時の被告の様子について、署員は「怒っていたり、興奮したりしている様子はなく、落ち着いていた」と話した。被告が自分の方に向かってきたことについて「私を撃とうとしたのかもしれないが、分からない」と証言した。