2024年10月11日、オスロでノーベル平和賞の発表を控え、準備をするノルウェー・ノーベル委員会のヨルゲン・ワトネ・フリドネス委員長=同委員会提供

 今年のノーベル平和賞受賞者が、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)に決まった。世界を驚かせたノルウェー・ノーベル委員会の判断の裏側には、39歳の新委員長の存在があった。

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 「記憶を生かし続けることで、私たちはより良い未来に向かって努力することができる。私たちはそう信じています」

 ノーベル委員会のヨルゲン・ワトネ・フリドネス委員長は11日、朝日新聞の電話インタビューにそう語った。

 被団協の選出は「サプライズ」だった。識者やメディアは中東情勢やウクライナ情勢をふまえ、関連の個人や団体に賞が贈られるという見方を強めていた。

 日本被団協を事前に候補者として名指しした識者や報道はゼロ。誰が推薦したのかは、50年間、明らかにならない。

 では、なぜ日本被団協が選ばれたのか。

選考委員トップが重視する「記憶の継承」

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