能登半島地震で石垣が崩落した法融寺=石川県能登町小木、法融寺提供

 地域のコミュニティー維持を図るための集会所や寺社などの施設。能登半島地震で被災したこれらの施設について、修理費などを自治体が補助する申請件数が、12市町で189件(2月20日時点)にのぼることが朝日新聞の調べでわかった。被害が甚大だった奥能登4市町では23件にとどまり、申請に至っていない状況が浮き彫りとなった。

 この補助は、石川県の復興基金を用いて、市町が実施する「地域コミュニティ施設等再建支援事業」。

 地域住民がコミュニティー活動に利用し、維持・管理していることなどを条件に、町会などからの申請で、集会所や倉庫、寺社、忠魂碑などの建て替えや修理費用を原則1200万円を上限に4分の3を補助する。独自に上限額や補助率を引き上げる市町もある。

 この申請状況を、半島振興法の対象となっている能登地域(内灘町や津幡町以北)の県内12市町担当者に聞いたところ、津幡町で66件、志賀町27件、羽咋市24件など中能登以南の市町で申請が比較的進んでいた。

 一方、被害が甚大だった奥能登4市町では、能登町が18件、珠洲市が5件、輪島市と穴水町がゼロと申請が進んでいない状況だった。

 輪島市の担当者は「相談は30件程度受けているが、人口流出で人が減り、自宅の被害なども深刻な中で、集会所や神社を直すことまで考えられないのではないか」と実情を話す。年度内に申請まで至るのは4件程度の見込みだという。

 市独自で上限を2千万円、補助率を5分の4まで引き上げているが、残る2割は地元負担となることから「自己負担をどう捻出するか悩んでいる地域もある」と話す。

 また、穴水町の担当者は「事…

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