展覧会を企画した中山益蔵さんと展示する作品=2024年9月19日、大阪市中央区、近藤咲子撮影

 1月の能登半島地震で被災した寺社の復興を後押ししようと、石川県内などの寺社の写真や絵を集めた展覧会が10月1日から大阪市内で開かれる。被災地は豪雨で再び大きな打撃を受け、主催者は「復興を願っていた矢先で心配。少しでも力になりたい」としている。9日まで。

 展覧会は、大阪市中央区南船場2丁目のアイギャラリーで開催される「能登・加賀の寺社 写真・絵画展」。妙成寺や気多大社(いずれも羽咋市)、白山比咩(ひめ)神社(白山市)など、18の寺社の写真や絵画20枚余りを展示する。

 ギャラリーを営む中山益蔵さん(70)が、知り合いのアマチュア写真家などに声をかけて企画した。3月、宗教施設である神社仏閣の再建への公的支援がないと報じた新聞を読み、今回の展覧会を思いついたという。

 作品のほとんどは地震前に撮影されたもので、倒壊した灯籠(とうろう)や建物の修復作業の様子など、被災状況を示す写真はごく一部だ。

 建築士で大学で建築史の講義もしていたという中山さんは「寺社は文化の中心で、地域の人の心のよりどころでもある。被災の大きさばかりが取り上げられるが、美しい建築の寺社を見て、地域に豊かな文化が根付いていることを知ってほしい」と話している。

 午後1時~8時。入場無料。「被災地の文化を守ろう」と募金箱を置いて寄付を募る。(近藤咲子)

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