宮城県名取市西部の丘陵地で6日、新たな住宅団地「めでしまの郷(さと)」がまちびらきを迎えた。東日本大震災後の9年間、182戸の仮設住宅が並び、県内で最後まで被災者が仮住まいを続けた場所だ。震災の象徴の一つだった地が、生まれ変わる。
めでしまの郷は約2・7ヘクタールあり、総区画数は90。長谷工ホーム(東京都)や細田工務店(同)などが建売住宅や宅地を分譲する。医療モールを誘致し、公園に災害用トイレやかまどベンチを備えるなど、安全・安心な環境を特徴にしている。
まちびらきで、細田工務店の野村孝一郎社長は「被災した方がご覧になって、復興を肌で感じられるまちづくりを進めたい」とあいさつした。
ここに「愛島東部仮設住宅団地」ができたのは、発災2カ月後の2011年5月。津波で壊滅的被害を受けた沿岸部・閖上地区の被災者が入居し、最大で300人余りが泣き笑いをともにした。窮屈な住戸が連なる長屋が24棟。市内最大の仮設団地だった。
騒動が起きたのは14年5月。
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