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平和祈念式典での長崎平和宣言後、ハトが一斉に放たれた=2024年8月9日午前11時12分、長崎市、日吉健吾撮影

 米国が広島、長崎に落とした原爆で被爆し、「被爆者健康手帳」を持つ人の数が、手帳の交付制度が始まって以来、初めて10万人を切った。厚生労働省が1日、明らかにした。

 今年3月末時点で、手帳を持つ人は9万9130人で、前年より7695人減った。平均年齢は86・13歳で、前年より0・55歳上がった。

 被爆者健康手帳の交付は、1957年に始まった。初年度は約20万人に交付。被爆者と認められる地域や援護内容の拡大などに伴い申請者が増え、80年度末に過去最多の37万2264人に。以降、減少傾向に入った。99年度末に30万人を、2013年度末に20万人を割った。

 被爆体験を語れる人は年々少なくなり、最近は幼少期や母親のおなかの中で被爆した人など記憶のない世代が被爆者運動の中心を担うようになっている。

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