国際平和シンポジウム「核兵器廃絶への道~戦後80年、未来へつむぐ~」(主催:広島市、広島平和文化センター、朝日新聞社)が2日、広島市中区の広島国際会議場で開かれた。シンポジウムでは、被爆3世で、2010年にジュネーブ国際音楽コンクール(ピアノ部門)で優勝した萩原麻未さんが「被爆ピアノ」を演奏し、来場者が静かに聴き入った。
被爆ピアノは、爆心地から約1キロで被爆して19歳で亡くなった河本明子さんが生前に弾いていたもので、側面には割れたガラスが突き刺さった跡が残る。
【動画】国際平和シンポジウムで被爆ピアノを演奏する、被爆3世のピアニスト萩原麻未さん
萩原さんは、被爆ピアノを題材に作曲された「Akiko’s Piano」やショパンなど3曲を演奏。「初めて弾いた時、楽器から明子さんの思いをすごく感じた。何とも言えない音色を聴きながら、しみじみと弾いている」とトークセッションで話した。
また、ピアノを所有する一般社団法人「HOPEプロジェクト」の二口とみゑ代表理事は「明子さんが弾いていた当時のまま、奏でることができるように修復した。これからも、ピアノが平和のメッセージを伝えていってくれたらと願っている」と話した。