閣議後の記者会見に臨む小泉龍司法相=2024年9月27日午前11時31分、東京・霞が関の法務省、久保田一道撮影

 小泉龍司法相は27日の閣議後の記者会見で、強盗殺人罪などで死刑が確定した袴田巌さん(88)の再審公判で無罪が言い渡されたことへの所感を問われ、「個別事件における裁判所の判断について、法相として所感を述べることは差し控えたい」と具体的な言及を避けた。

 袴田さんが初めて再審請求をしたのは1981年で、再審無罪が言い渡されるまで40年以上を要した。小泉法相は再審の手続きを明確化する法改正の必要性についての見解も問われたが、「様々な観点から慎重かつ丁寧に検討すべきものだ」と述べるにとどめた。

 判決が死刑制度の存廃の議論に与える影響についても、「確定していない裁判所の判断を前提とするお尋ねで、この時点でお答えすることは差し控えたい」とした。死刑制度そのものへの考え方については、国民世論を引き合いに「廃止することは現時点では適当ではない」と従来通りの見解を繰り返した。(久保田一道)

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